かつては新築住宅を購入するのが一般的でしたが、最近では中古住宅を買い、
自分の好みに合わせて改修する人が増えています。
このように内装や間取りを新築と同様にしながら、コストを抑えることができるのが魅力です。
ただし、中古住宅購入時のトラブルは決して少なくありません。
どのような中古住宅を避けるべきか、その見極め方は何でしょうか。
新築よりもコストを下げることができる中古住宅ですが、購入に際して注意が必要です。
以下、購入すべきでない中古住宅の特徴を詳述しますので、家探しの際の参考にしてください。
これは買ってはダメ!な中古住宅
特に注意が必要な中古住宅とはどのようなものでしょうか。
購入後に様々な問題が発生することが珍しくなく、以下にその一例を挙げます。
例えば、奈良県で築25年の中古住宅を購入したAさんは、入居から2年以内に室内のカビが問題となりました。
カビはサッシ周辺の結露から始まりやすいですが、Aさんの場合、壁の内部からカビが生じていました。
これは防水紙の施工不良が原因で、雨水が室内に侵入していたためです。
修理には新築に匹敵する費用が必要となりました。
このような問題を避けるため、中古住宅の特徴を理解し、購入前に徹底的に物件を検査することが重要です。
避けるべき中古住宅の選び方:土地と建物の問題点に注目
中古住宅選びにおいて、土地と建物の両方で留意すべきポイントがあります。
特に土地に関しては、以下の点をしっかりとチェックする必要があります。
境界問題
中古住宅市場では、敷地の境界が明確でない物件が意外にも多く存在します。
以前は近隣との間で黙認されていた境界問題が、物件の売買がきっかけで突如として表面化することもあります。
実際の敷地面積と登記上の面積に差異があるケースも珍しくなく、
正確な測量が行われていない場合が多いです。
トラブルを避けるためにも、購入前に敷地境界の確認を行うことが大切です。
接道義務の確認
建物が道路にどの程度接しているか、またその道路の幅は重要なポイントです。
1950年に制定された接道義務では、一定の幅員の道路に面していなければならないとされています。
特に古い物件では、この基準を満たしていない場合があります。
将来的に建て替えを考えた場合、建築許可が下りないリスクもあるため、
この点はしっかりとチェックする必要があります。
災害リスクの評価
地震、土砂災害、津波など、自然災害のリスクは購入前に詳細に調べるべきです。
自治体が提供するハザードマップを利用し、浸水想定地域や土砂災害警戒区域、
津波浸水想定区域など、特定のリスクが高い地域かどうかを確認してください。
これらの点を踏まえ、中古住宅購入時は慎重に物件を選び、
将来的なリスクを減らすことが重要です。
地域に空き家が多い場合の中古住宅購入リスク
中古住宅が売りに出されるエリアには、しばしば多数の空き家が存在しています。
空き家がそのまま放置されると、さまざまな問題が生じる可能性があります。
例えば、空き家の庭の木が大きく伸びて隣地に影響を及ぼしたり、雑
草が生い茂ったり、野良猫が棲みついたりすることがあります。
また、犯罪者が隠れる場所として利用されたり、放火の対象になることも想定されます。
このような環境ではトラブルが起こりやすいため、注意が必要です。
中古住宅の建物の問題点と識別方法
購入を避けるべき中古住宅の建物には以下の特徴があります。
建物の傾き
建物が過度に傾いている場合、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
自律神経への影響が懸念される傾きは3度以上とされています。
傾きの原因としては、基礎の不備や地盤の弱さが挙げられます。
訪問時に建具の動きや水平器を使用して簡単にチェックできます。
雨漏りとシロアリの問題
特に木造住宅では、雨漏りは建物の劣化を加速させる大きな問題です。
雨漏りの原因は屋根やベランダなど様々です。
また、シロアリ被害は定期的な防除を怠ると発生しやすく、
屋根裏や床下の確認、柱の触診、天井のシミの有無などで確認できます。
建築基準法違反
建築基準法は時代に応じて改正されており、過去に建築された物件が現在の基準に合わないこともあります。
特に重要なのは接道義務、建蔽率や容積率の違反、セットバックの必要性などです。
大規模なリフォームや建て替えを考える場合、これらの違反が許可の障害となることがあります。
耐震性の問題
耐震基準は過去に何度も改正されており、特に1981年以前に建築された建物は、
基本的な耐震性が不足している可能性が高いです。
2000年以降に建てられた建物は耐震性が強化されているため、比較的安心ですが、
それ以前の基準で建てられた物件では、熊本地震のような大規模な地震に耐えられない可能性が示されています。
これらの問題を避けるためにも、中古住宅を購入する際は、
耐震診断を含めた徹底的な物件チェックが重要です。