夏季、恩恵を受けた人々に感謝の意を表するお中元を送る習慣がありますが、
贈る相手をどう選べば良いか最初は迷うものです。
特に結婚後は、配偶者の家族や親戚、配偶者の職場の上司など、
どこまで範囲を広げるべきかが問題になることも。
本記事では、お中元を贈るべき相手とその範囲に焦点を当てて解説します。
お中元を贈る理由とは?
古くは中国の道教で、中元は罪を贖うための日とされ、一日中火を焚いて神を讃える風習がありました。
これが仏教に取り入れられ、先祖を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ)が行われるようになり、
中元と盂蘭盆は一体化しました。
日本においては、これがお盆の一環となり、
更にお世話になった人々に感謝の意を示すお中元が生まれました。
現代では、日頃からお世話になっている人々への感謝を表す機会としてお中元が用いられます。
ただし、お中元は年に一度のものではなく、長期的な関係を築く意味も含んで、
「これからもお世話になります」という意図を持って贈られます。
一度きりのお世話に対しては、「御礼」として別途品物を贈ることが一般的です。
お中元を贈る対象者と範囲
日常的にお世話になっているという点で考えると、贈るべき相手は以下のように分類されます
- 家族や親戚(両親、義両親、その他の親戚、兄弟姉妹)
- 職場の関係者(上司、取引先)
- 個人的な繋がりのある人々(友人、知人、恩師、趣味の教室の先生など)
贈る際の注意点として、表面的な礼儀だけではなく、真の感謝と誠意を込めた贈り物を心掛けることが重要です。
特に家族や親戚に対しては、義務感からではなく、感謝の気持ちを常に持つかどうかが選定の基準になります。
ただし、公務員は利害関係者からのお中元を受け取ることができませんし、
最近ではお中元を禁止する企業も増えていますので、事前の確認が必要です。
お中元を送る適切な時期とは?
お中元は主に7月から8月にかけて送られることが多いですが、
贈る際には相手が住む地域の慣習に注意する必要があります。
各地域でお中元を送る期間が異なるため、相手の住む地域に合わせたタイミングで贈るのがベストです。
- 北海道では7月15日から8月15日まで
- 関東・東北地方では7月1日から7月15日まで
- 関西・中国・四国・東海地方では7月15日から8月15日まで
- 北陸地方(金沢地区)では7月1日から7月15日まで
- 北陸地方(能登地区)では7月15日から8月15日まで
- 九州地方では8月1日から8月15日まで
- 沖縄では旧暦の7月15日まで
お中元におすすめの品物
お中元の品選びでは、受け取る人の好みや生活スタイルを考慮することが重要です。
例えば、アルコールを好まない人にはビールの代わりに他のアイテムを選びましょう。
定番とされるお中元の品物は以下の通りです
- ハムやソーセージ
- ビール
- 冷菓(水ようかんやゼリーなど)
- 麺類(そうめん、うどん、そば)
- お茶やコーヒー
- スイーツ(洋菓子、和菓子)
- 商品券やギフト券
- カタログギフト
- フルーツ
ただし、消費期限の短い生鮮食品は受け取った人が困ることもありますので、
保存が効くものを選ぶと良いでしょう。
品物の価格相場
お中元の金額については、相手との関係に応じた適切な予算を設定することが大切です。
相場を参考にして選んだほうが無難です。
お中元の価格帯については、一般的には3,000円から5,000円の間で選ばれることが多いです。
特に感謝の意を強く示したい場合でも、贈り物の上限は10,000円程度と考えられています。
お中元は毎年継続して贈るものであるため、経済的に無理のない範囲で金額を設定することが大切です。
また、贈り物の価格を年ごとに下げていくことは避けたほうが良いでしょう。
今後の継続的な支払いも考慮して、予算を決めてみてください。
お中元とお歳暮の贈り分け
お歳暮もお中元と同様に感謝の気持ちを表すためのギフトですが、両方を送る必要はありません。
どちらか一方を選ぶ場合は、より感謝の気持ちを表すお歳暮のみを送ることも一つの選択肢です。
贈る相手の選定
お中元は毎年贈る習慣があり、継続してお世話になる予定の人に贈ることが一般的です。
一度だけのお世話に対しては、「御礼」として別途品物を贈ることが適切です。
選んだ相手に毎年送り続けることが適切かどうか、慎重に考えましょう。
まとめ
お中元は一般的に7月から8月に送られ、価格帯は3,000円から5,000円が一般的です。
特別な感謝を示す場合でも最大10,000円までです。
そして地域により送る時期が異なる場合があるので注意が必要です。
毎年続けて贈る習慣であるため、無理のない範囲で予算を設定し
ぜひ相手に喜ばれる品物を探してみてください。